なんとなく、一度振り返ってみようかと思った。
1人と、5人と、わたしのことを。
私がこの世界で、どう生きてきたかを。
まずはその、ハジマリの話。
20年前。
当時中学2年生の私は恋をした。同じクラスになった男の子。
イケメンだった。サッカー部だった。人気があった。
でも。
私は彼が嫌いだった。
チャラそう。性格悪そう。目立ってて、なんか、嫌い。
…なのに。
たまたま同じ班になった彼は、私が抱いていたイメージとはだいぶ違った。
どちらかと言えば物静かで自分からは前に出ないタイプ。
黙っていてもこちらの気持ちに気づいて、何気なく助けてくれることがよくあった。
気づいたら、好きになっていた。
そんな恋する乙女真っ只中に、わたしは気づいた。
彼は、あの人に似ている。顔が。雰囲気が。
でも。
私は彼が嫌いだった。
チャラそう。性格悪そう。目立ってて、なんか、嫌い。
…なのに。
似ているなぁと思って見始めた彼は、私が抱いていたイメージとはだいぶ違った。
どちらかと言えば物静かで自分からは前に出ないタイプ。
怖そうだと思っていたら、笑顔はとても可愛い。歌声は甘い。
そしてダンスを踊ったら、もう、目を離すことが出来なくなった。
気づいたら、好きになっていた。
これが、「1人、と、わたし」のハジマリ。
私はこうして、森田剛に出会った。