1人と、5人と、わたしのはなし。

V6やらNEWSやら、思うところをまとめるところ。

オタクが初めてサイン会に参加したハナシ。

それなりに長い歳月人間をしてきて、この度生まれて初めて「サイン会」なるものに参加したので、老後の楽しみのために記録しておきます。

 

 

それは月2回以上は行く本当に地元の愛用書店で、とあるPOPを発見したところから始まる。

 

「今村翔吾先生がやってくる!」

 

POPを前に一人あたふたする私。

「こんな田舎の我が生活圏内にあの今村先生が来るだって・・・!?」

参加せねばどうする!という気持ちと、いやサイン会ってどうすればいいの?緊張するやん?私みたいなのが参加していいの?と二の足を踏む気持ちがせめぎ合う事数週間。

 

「こんな機会はきっと二度とない・・・!」と覚悟を決めて、勇気を出して、塞王の楯を抱きしめてレジへ向かい粛々とサイン会の予約を取った。

 

ちなみに私が今村先生のことを知った経緯は、恥ずかしながらとてもオタクな経路を辿ってのことだ。

 

加藤シゲアキ先生と一緒に吉川英治文学賞を受賞されたから。

 

はいはい、オタクオタク。

いやでも、記者会見の会場まで人力車で乗り付けるし、喋りは面白いし、調べてみたら元ダンスインストラクターだし、受賞者の集合写真は完全に家族写真だし、廃業寸前の本屋さん救って社長もやってるし・・・そんなおもろい作家さんおる?気にならずにおれる??

 

そんなわけでそれこそサイン会のPOPに出会った本屋さんでくらまし屋シリーズの1冊目を手にした結果、その後全巻まとめ買いするという道を辿ったわけです。

おまけに元々時代小説好きの母の目のつくとことにそれとなく置いておいた結果、見事に母もハマり、「くらまし屋、新刊は出ぇへんの?」とたびたび催促される始末。

 

 

 

そして、いよいよ今日。

 

NEWSの現場前より緊張した。(爆)

だってなんせ「サイン会」というものが初めてで全く勝手が分からないし。

何よりきっとめちゃくちゃ深いファンの方が多いだろうに、私なんぞのようなライトファン(しかも別沼のオタク)がのこのこ来ちゃっていいのかという葛藤も大いにある。というかむしろそれしかない。

 

でも参加するからには、もしお話出来そうな場合は何を話そうかってめちゃくちゃ脳内シュミレーションしました。

 

とにかく伝えたい事として、失礼かもしれないけど「加藤さんきっかけで今村先生に出会えました」ということ。

あと「くらまし屋、めっちゃ好き!平さんLOVE!新刊めちゃくちゃ待ってる・・・!」ということ。

この2点は可能であれば伝えようと心に決めていました。

 

加藤さんのことは本当に直前までめちゃくちゃ迷ったけど。

双方に対して失礼なのでは・・・という気持ちもあるし、それ目的だと思われるのもあれだし。でも今村先生と加藤さんってめちゃくちゃ面白い組み合わせだから、このままずっと仲良くしてほしいなって気持ちもオタクとしてはあって、それはもう完全にあれだけど。(あれ)

 

そんなこんなで入店。

 

おる。

もうおる。

入ってすぐに、おる。

本物や・・・。

 

 

サイン会の空気をビシバシ感じつつ、胸の内のソワソワを隠し平静を装いつつとりあえず一旦どんな具合か様子を探るために店内をぶらぶら。(不審)

しばしサイン会の列を遠目から眺めた後に、勇気を出して私もサイン会予約者の一員になるべく列の最後尾へ。

 

列に並んでいる間に、サイン会とはなんぞやと観察した結果・・・

・先生と対面で座ってサインを書いてもらうスタイルである。

・流れ作業を想像していたら(たぶんそれは握手会)、結構がっつり向き合う時間がある。

・サインが一通り終わったら、希望者は一緒に写真を撮ってもらえる。

・めちゃくちゃお話している方もいれば、寡黙にサインされる先生を見守っている方もいる。

・基本先生は相手の方のペースに合わせてくださる。

 

つまり、話すか話さないかはこちら次第・・・!(ゴクリ)

 

 

自分の采配でどうにでもなるとわかると、余計に迷って悩むわけで。

大いに頭をグルグルと回してる間に回ってくる順番。

ここからはオタクやらかしまくりの一部始終をノンストップでお届けします。

 

 

迷いも悩みも緊張も全部押し隠して(たぶん)にこやかに先生の前の席へ座るオタク。

私が書いた名前(本名、漢字)を見て「ゆうかさんですか?」と笑顔で質問してくださる先生。

「ゆかですっ!」となぜかとても元気ハツラツに答えてしまうオタク。

そんなオタクにも「ゆかさんね~」と柔らかく返してくださる先生。

 

しばし先生の様子を眺めつつ意を決するオタク。

 

オタク「私・・・、実はNEWSの加藤さんきっかけで先生を知りまして(あぁ、言うてしもうた・・・)」

先生「あ、シゲさん?(笑顔)」

オタク「はい、シゲさん。」

先生「そうかぁ~!シゲさんに感謝やな!LINEしとくわ!(わっはっは)」

オタク「あはは、LINE!(やめて、しないで、シゲちゃんに怒られる・・・!)そこからくらまし屋を読んでドハマりしまして・・・」

先生「そうなんやぁ、ありがとうございます!」

 

・・・あれ、この後なんかもうちょっと話したのに忘れたな・・・。(爆)

 

緊張でよくわからなくなったオタク、最後本を受け取る時「くらまし屋の新刊も楽しみにしてるので、頑張ってください!シゲさんのお兄さんとして、これからもよろしくお願いします」っていう謎の挨拶をしてしまったり・・・。

自分でも何言ってんだって感じだから、先生も何言ってんだやったやろうな。アハハ。

 

で、この後めちゃくちゃ印象深いことがあったんですけど、大切なことなので最後に置いとくとして。(焦らす)

 

 

せっかくの機会なので写真もお願いしようとサインが一通り終わるのを待ち写真の列へ。

回ってくる順番。

 

先生「あ、シゲファン!」

オタク「いや、シゲファンて!先生のファンでもありますよ!ほんまに!!(ごめんて、オタクでごめんて。ちなみに小山担やねん、ごめんて)」

先生「コンサートとかも行ってんの?」

オタク「はいっ!今ちょうど申し込みしてて・・・(いや、何の報告)」

先生「そうなんやー!俺も1回見に来てって言われてんねんけどな!(笑顔)」

オタク「・・・!いいじゃないですか!先生も行きましょうよ!!!」

先生・オタク「わはははは~!」

(この一部始終の間にスタッフさんが写真を撮ってくださいました)

 

いや、ほんまに私は一体何の話を・・・。

先生があまりにも気さくに話してくださるので、オタク、オタク全開で本当に申し訳ない。

挙げ句の果てに「新刊、本当に楽しみにしてます・・・!」って再度無意識の圧力をかけて退散するという所業。

 

本当にごめんなさい。先生。何から何までとっ散らかったオタクで。

でも本が好きなのも、先生を応援してるのも本当なんですよ。先生の本屋さんも行ってみたいなって思ってる・・・って、言い訳してもしょうがないけど。

 

(1個言い訳ついでに言うと、今年の初めにコロナに感染して1週間ばかりホテル療養をしたんですが、その時「何か本を・・・」と思って持参したのがくらまし屋でした。

私のあの1週間のホテル療養を救ってくれたのはオリンピックとくらまし屋シリーズと言っても過言ではない。本を読むことは私の日常で、経験のない生活への不安と戸惑いを日常と繋ぎとめてくれた大切な存在でした。

本当にありがとうございました。楽しい療養になりました。)

 

 

 

それで、焦らしてたことなんですが。

 

サインして頂いた本を謎の挨拶と共に受け取って「ありがとうございました!」と席を立って数歩歩いた時、思いがけず先生からお声が。

 

 

「シゲさん、来年・・・再来年ぐらいに、直木賞取るんちゃうかと思うわ」と。

 

 

これ、会話の流れではなくて、私が去りかけた時にわざわざ声をかける形で届けてくださった言葉で。

しかもそれまで朗らかにわいわい笑顔でお話してくださってた表情と違って、なんかとても引き締まった真剣な表情をされてた・・・と記憶している。うん、そうだった、はず。

思わず「本当ですか・・・!?」ってまぁまぁデカい声出しちゃったし、「また先生とも何かでご一緒に!」って最後の最後までよく分からない返ししちゃったけど。(本当にごめんなさい)

 

いちオタクの私なんかにプロがおべんちゃら言う必要もないし、何より実際お話した今村先生はとても気っぷが良くて一人一人と真っ直ぐ向き合ってらっしゃる印象をガツガツ受けたので、そんな先生からそういう言葉をかけてもらったのがなんだかこう「嬉しい」というのとはまた違う感情で・・・。

「私がそんな言葉を受け取っていいのか・・・?」と思うぐらい、重くて熱くて大切な言葉と声でした。

 

なんならこの一言をどうにか記しておきたくて、形にしておきたくてこれを書きました。

あの場で私個人に対して言ってくださった言葉を他の人に伝えていいのか・・・という迷いもありつつ、でもシゲ担さんに届けばいいなと思って。

なんか私なんかが一人で抱えるにはあまりにも大切な言葉だったから。

あんまり大事にならないように、ひっそりみんなで噛みしめられたらいいなと思っています。

私がやらかしまくってるところは、前座だと思って薄目で笑って見逃してください。(笑)

 

 

今村先生、本当に貴重な機会を作ってくださりありがとうございました。

作家さんと直接お話が出来るなんて、夢にも思いませんでした。

すごくすごく楽しい初体験でした。

サインして頂いた塞王の楯、大切に読みます。宝物です。

 

あと、くらまし屋新刊、ほんまに待ってますからね・・・!(笑)

 

 

おわり。